境界知能と診断されると、
「大学なんて卒業できないのでは?」
「勉強についていけるのだろうか?」
と不安になる方も多いと思います。
私は40代で通信制大学に入学し、在学中に知能検査を受ける機会があり、IQ78、ワーキングメモリ71という境界域の結果が出ました。
文字を読むのが苦手。
覚えるのも苦手。
マルチタスクも苦手。
大学の教科書は文字ばかりで理解するのに時間がかかり、
周りの人の何倍も努力しているように感じることもありました。
それでも私は通信制短大を実質1年半で卒業し、その後、通信制大学の英語コースも卒業しています。
もちろん順調だったわけではありません。
大学は短大と比べ卒業率が低い大学だったこともあり、卒業までに実質半年間の留年を経験しました。
ASD気質もあるため、自分の計画がうまくいかないとストレスがかかりやすく、途中でうつ状態のようになった時期もありました。
それでも最後まで諦めずに卒業できたのは、自分の特性に合った勉強法を見つけたからだと思っています。
このページでは、境界知能とASDの特性を持つ私が、大学卒業までに実践していた勉強法や工夫、そして卒業までのリアルな体験談をお話しします。
境界知能の私が大学卒業までに実践していた勉強法
私は境界知能とASDの特性があるため、一般的な勉強法がうまく合わないことがありました。
そのため、自分なりに試行錯誤を繰り返しながら勉強を続けていました。
ここでは、実際に大学卒業まで続けていた勉強法をご紹介します。
①マルチタスクをやめて一点集中した
私は複数のことを同時に進めるのが苦手です。
レポートを書きながら別の科目の勉強をしたり、仕事と大学の課題を器用に切り替えたりすることがなかなかできませんでした。
そのため、レポート提出期間は大学の勉強を最優先にし、できるだけ他のことを減らしていました。
人によっては効率が悪く見えるかもしれません。
しかし私の場合は、一つのことに集中した方が結果的に理解も深まり、課題も進みました。
今振り返ると、自分の特性を理解して勉強方法を合わせたことが大きかったと思います。
②教科書は声に出して読んだ
私は文字を目で追うだけでは内容が頭に入りにくいタイプです。
特に大学の教科書は文章量が多く、専門用語もたくさん出てきます。
そのため、重要な部分は声に出して読むことをよくしていました。
自分の声を耳から聞くことで理解しやすくなり、記憶にも残りやすかったからです。
写真は実際に大学で使っていた教科書です。

周りから見ると独特な勉強法に見えるかもしれませんが、私にとってはとても効果がありました。
③消えるマーカーペンで色分けした
大学の教科書は文字が小さく、図やイラストが少ないものもあります。
私は読む途中で行を飛ばしてしまうことがありました。
そこで活躍したのが消えるマーカーペンです。
重要な部分に線を引きながら読み進めたり、色ごとに意味を分けたりしていました。
例えば、
🟡 重要なポイント ➔ 黄色
🔴 後で見直したい部分 ➔ ピンク
🔵 人の名前 ➔ 青
🟠その人が行った重要箇所→オレンジ
というように分けていました。
視覚的に情報を整理できるので、理解しやすくなりました。

④書いて覚える方法を使った
ワーキングメモリが71だった私にとって、覚えることは大きな課題でした。
読んだだけでは忘れてしまうことも多かったため、とにかく書いて覚えていました。
ノートはもちろんですが、教科書の余白にもたくさんメモを書き込みました。
後から見返すと、自分でも驚くほど書き込みだらけになっていることがあります。
自分の言葉で書きながら整理することで、意味理解が深まっていきました。
写真は実際に私が使ってた教科書です。

ブログ経験がレポート作成で役立った
学では、2,000文字〜10,000文字を超える膨大なレポートを毎月のように書く必要がありました。
最初は大学特有のルールに戸惑いましたが、文章を書くこと自体には比較的抵抗がありませんでした。
ブログを続けていたおかげで、「テーマ・結論・理由・まとめ」という文章の構成を使い、「自分の考えを文章にまとめる(言語化する)」という作業に慣れていたのです。
もちろん、大学のレポートとブログの書き方は全く違います。
しかし、文章を組み立てて書く経験の相乗効果が、卒業までの大きな助けになったことは間違いありません。
何より、私は16歳の過酷な入院生活のときから、ペンとノートで「紙に書きなぐる」ことで心を整えてきました。この「文字を書いて頭の中を整理する習慣(ジャーナリング)」が、ワーキングメモリが低い私の脳を助け、レポート作成の大きな武器になってくれたのです。
💡 あわせて読みたい
境界知能の私が数十年続けてきた「心をクリアにする書く習慣」の秘密や、詳しいジャーナリングの効果については、こちらの記事で詳しく解説しています。
➔ 【ジャーナリングの効果とは?紙に書きなぐると頭のぐるぐる・モヤモヤを言語化して整理できる理由】
卒業までの道のりは決して楽ではなかった
ここまで読むと順調に卒業できたように見えるかもしれません。
しかし実際はそうではありませんでした。
私は通信制短大は実質1年半で卒業しました。
その後、通信制大学へ編入しましたが、卒業までに半年間在籍が延びています。
事実上の留年です。
私にとって、この半年延長はとても悔しい出来事でした。
ASDの特性もあり、自分で立てた計画が崩れることに強いストレスを感じるからです。
途中で気持ちが落ち込み、うつ状態のようになった時期もありました。
それでも私は、
「今の苦しさを解決する方法は卒業することだ」
と考えなおし、なんとかメンタルを立て直して前へ進みました。
そして、自分にできる方法を一つずつ積み重ねながら勉強を続けました。
境界知能だからこそ、心理学的な「自己分析」が役に立った
私は昔から自己分析をすることが好きでした。
大学時代も、
「なぜ私は理解できないのだろう」
「なぜ覚えられないのだろう」
「どうしたらもっと楽に勉強できるのだろう」
と考えることがよくありました。
境界知能やASDの特性があると、一般的な勉強法が合わないことがあります。
だからこそ私は、自分に合った方法を日常生活の中から必死に探し、そうして試行錯誤を繰り返した結果、今日紹介した「私だけのオリジナルの勉強法」にたどり着いたのです。
自己分析によって自分の得意と補充すべきことが分かった。
これこそが、私が大学を卒業できた一番の鍵でした。

境界知能でも大学卒業は可能だと私は思う
境界知能があると、ハンデが少なからずあるため、一般の人と比較して大学卒業が簡単ではないこともあります。
実際に、私自身もレポート作成などでは、人より時間がかかったことも多かったです。
また、働きながら大学を卒業することは、一般の人にとっても共有して決して簡単なことではありません。
私の場合は、そこに境界知能やASDの特性もあったため、人より多くの工夫や試行錯誤が必要でした。
しかし、自分の特性を理解し、自分に合った勉強法を見つけることで卒業することはできました。
大切なのは、一般的な勉強法に無理やり自分を合わせることではなく、自分に合う方法を探すことだと思います。
少なくとも、IQ78、ワーキングメモリ71だった私自身は、通信制短大を卒業し、その後通信制大学も卒業することができました。
だから私は、境界知能だからといって最初から大学進学や卒業を諦める必要はないと思っています。
通信制大学は最長8年の在籍期間があるから、最悪それまでに卒業する気持ちでチャレンジしてみるのもいいと個人的に思います。

